沖縄本島最北の地・国頭村の特産品販売などをする「ゆいゆい国頭」に3月8日から勤務する小山内大輔さん。ついに3月29日に最終日を迎えます。
ゆいゆい国頭には、腕の生えたヤンバルクイナが重量挙げをしているマスコットが鎮座しているんです。
だけど長年この地で頑張ってきたクイナさん、ところどころ色もはがれてきてしまっています。
台座には「昭和63年元日辰成年祝記念」と書いています。
昭和の末期を経て、平成も終わり令和に突入しようとする今の今まで、ずっとこの地で、バーベルを挙げようと努力したままただひたすら、地域の人々や観光客のみなさんの笑顔を見守ってきました。
観光客のみなさんもよく一緒に写真を撮っています。小山内さんは思いました。塗りたい、と。
Facebookで一般の方からもアンケートを取って、塗り直しをしてほしいという声も多くあったため、思いをひとつに、みんなで力をあわせて塗ることにしました。ちょうど施設も20周年を迎えます。
滞在先のゲストハウスのオーナーさんや宿泊者さん、Facebookでの呼びかけに賛同した人々、周囲の店舗のみなさん、たくさんの方が応援に駆けつけてくれることになりました。
さて、最終日の大仕事。作業開始です!
雨です。大雨です。土砂降りの大雨です。
雨ニモ負ケズ
ペンキが塗れません。
そして、この日は最終勤務日です。この日を逃すともう塗れません。
小山内さん「無理でしょ・・・」
平良支配人「よし、テント取りに行くよ」
小山内さんの熱意に心動かされた人々がどんどん集まってきます。
さあ、完成です!
そして改めてビフォーアフターをごらん頂きましょう。
なんだか少し色白になったクイナさん。服も新品になりました。色のバランスも抜群で、沖縄の青い夏空に映えそうですね。
塗り終わる頃には雨も上がり晴れ渡りました。
小山内さんの最後の大仕事は、クイナさんの色塗りもそうですが、みんなで力を合わせた思い出を残したことではないでしょうか。
時間との闘いの中で怒涛の塗り直し。作業を終えて一段落付いた小山内さんが、一人でまたクイナを訪れ、ゆっくりと眺めている時でした。
車に乗った見知らぬおじさんが、声をかけてくれました。
「ジョートーだね(素晴らしいね)。あんた、また来てくれよな」
小山内さんの頑張りを、この人はずっと見てくれていました。
ふるさとワーホリを振り返って、小山内さんはこんなことを思っています。
「人々に直接『ありがとう』と言ってもらえる仕事の喜びを初めて味わいました。自分がやったことに対して感謝してもらえることに、こちらもとにかく感謝の気持ちでいっぱいです」
この日、給与をもらいました。関東で公務員をしていた時よりは少ないかもしれません。でも、この時交わした平良支配人とのハグに「金額以上の重みや熱い気持ちを感じた」といいます。
3月29日、小山内さんのふるさとワーホリは幕を閉じました。
現在、小山内さんは国頭村への移住を視野に計画中です。またその日まで、しばしのお別れです。
追記:小山内さんは6月1日から国頭村の地域おこし協力隊として、ゆいゆい国頭での活動を継続中です!
活動の様子はこちらから オサナイ!駆けるよ!喋るよ!