名護市の東海岸・山と海に囲まれたのどかな場所に位置するのが、川端万貴さんの勤務先である「わんさか大浦パーク」です。
地域の特産品などを販売し、地域の魅力発信に取り組んでいます。
川端さんはどのような経緯で名護市にやってきたのでしょうか。訊ねてみました。
沖縄もかけがえのない場所に
2019年4月から外務省での勤務が決まっている大学生(当時)の川端さん。
政策を立案し、そして平和のあり方を考える際、沖縄の人々の表情や生活、美しい自然を心に浮かべていたい、という思いがあります。
なので川端さんは「観光ではなくじっくりと地元の人々と交流してみたい」との一心で、沖縄でのふるさとワーホリに参加を決めました。
実はこのふるさとワーホリに参加するのは2回目。
昨年9月には岐阜県白川村のお蕎麦屋さんで働きながら、地域行事に参加したり小学校で講演などをして積極的に過ごしてきたそう。
ワーホリが終わっても毎月のように足を運び「もう村民だね」といってもらえるまでになりました。
沖縄も、そんなかけがえのない場所にしたい、そう考えています。
日本をもっと知るため
高校1年生の時、外務省の外交官が進路講演に来てこう言っていたのが忘れられなくなって7年が経ちました。
「英語を使って世界史を作る仕事です」
英語も世界史も大好きでした。好きなことを実践して大きな仕事をできる未来にわくわくしました。
と同時に、日本のことを外国にPRしていくのに、日本のことをまだまだ知らない自分にも気付きました。
その思いで大学生活の最後のひと時の場所に選んだのが、沖縄でした。
外国語のスキルを生かして
川端さんの生活する名護市は、オリオンビールの唯一の工場があり、2000年の九州・沖縄サミットでは首脳会議の主会場となった街でもあります。
人口は約6万3000人。本島北部の主要都市です。
ただ、人口や産業が西海岸に集中しているのが現状で、施設の位置する東海岸はまだまだこれから盛り上げていこうと奮闘中です。
3月10日。「わんさか大浦パーク」では、地産地消のフードフェス「第2回わんさか嘉例祭」が開催されました。
ことしのテーマは餃子。県内の各店舗がブースを出して個性溢れる餃子を提供しています。
川端さんのみならず、ここで勤務する他のワーホリ参加者、川口さん、大河内さんも皆、この日に向けて着々と準備を重ねてきました。
川端さんは餃子を作りすぎて「自分が餃子になると思った」そうです。そのぐらい没頭して、精神的には餃子と一体化してきました。
この日はフェスの受付でのお仕事です。
実は川端さん、気にかけていることがありました。
他のワーホリ参加者の川口さんは販売や接客経験が、大河内さんはDIYのスキルがあるため、彼らが日ごろの業務で貢献している一方、自分はあまり貢献できていないのではないか、と。
ただ、そんな心配は要りませんでした。
わんさか大浦パークの直売所アドバイザーの深田麻衣さんは「3人が3人とも特技を持った人が、過疎地域に来てくれたおかげで直売所の改革ができている」と声を大にして大喜び。
川端さんに対しても「情報分析が得意で、語学力も長けている」と絶賛です。
坪松美紗さんも「この地域にない新しい見方を提示してくれる。地域の人も喜んでくれて話も盛り上がる」と太鼓判を押しています。
パークの副管理責任者・仲村晋さんも、3人の力に感謝している一人です。
「皆さんが来てくれて活気付いています。若い人が技術や経験を養って巣立っていけるような施設にしたいです」
川端さんが外国人観光客に対応していることについて「外国語を話せる人が他にいないからとても助かっている」と喜んでいます。
4月からは外務省に入省です。沖縄での経験を糧に、活躍を期待しています!